月別アーカイブ: 2007年8月

化学療法前の各種検査

昨日から今日にかけて、化学療法中の副作用の状態を比較して確認するための検査を行った。

 

①ブレオマイシンの副作用の肺線維症を見るため呼吸器の検査。

ホースを口にくわえて肺活量やどれだけ勢いよく息を吸ったり吐いたりできるか、肺の拡散能力(酸素などをどれだけ血液に取り込むことができるか、字は間違ってるかも)などの5項目の検査。

②肝機能を見るために、24時間の蓄尿と血液検査

③リンパ節の転移を見るために、造影剤を使って再度CT

 

呼吸器の検査はほかの検査と違って遊び要素があって面白いかも、肺活量の検査では1回目は4800ccほど、5000ccはいけるよ!と先生に乗せられて、かなり頑張って絞り出した。

造影剤ではアレルギーが出る場合があるらしく、同意書を書かされた。以前に結石で入院した時に造影剤はやっているので心配はなかったけど、検査後にじんましんがでて焦ってしまった。じんましんは以前からちょくちょく出ていたので、重なったのだろう。

 

造影CTの結果はすぐにでて、夕方には結果を教えてもらった。目に見える転移はやはりないそうだ。

精子保存

科学療法を行うにあたって心配なことがある。抗がん剤による造精能への影響、つまり今後子供を作ることができるかどうかである。

精巣腫瘍で用いる抗がん剤のひとつ、「シスプラチン」という薬が造精能に影響を及ぼすようだ。

先生にも相談したが、そんなに心配するほどではないと言っていたが、これについては後から無精子症になってしまってからでは遅い。

過去の例などデータがないか相談してみたら、製薬会社に問い合わせてみるとのこと。

 

また、それとは別に精子の冷凍保存を行うことにした。化学療法を始める前の精子を保険として保存しておく。

どこか病院を紹介してもらえると思っていたが、自分で探してほしいとのこと。

入院している病院から近い婦人科を探してさっそく行ってみた。

まずは、精子の検査をするとのこと。検査をしてその精子を凍結保存できるらしい。

「採精室」という鍵のかかる個室に案内された。

直径5cm高さ10cmほどのプラスチック容器を渡され、これに出してくださいとのこと。

(お見舞いにもらった官能小説を持ってくればよかったかなぁ)

 

採取したあと、物を預ける。1時間ほど待合室で待つ。

結果はかなり悪いといわれてしまった。

 精子濃度:  7.3million/ml  (正常値:20million/ml以上)

 運動率 : 19%         (正常値:50%以上)

これにはかなりショックを受けた。根拠もなく精子は大丈夫だろうと思っていた。

(あとでわかったことだが、腫瘍が原因で精子数などが下がっていることも多いようだ)

婦人科の先生にも、今後どれくらい下がるかわからないとか、精子数を回復する手段はないとか、ぼろくそに言われた。

(これもあとから調べてわかったのだが、術後に回復している例はいくつもある)

婦人科の先生に言わせてみれば、本当に不妊症で悩んでいる人は、こんなもんではないとでも言いたそうだが、

ガンの治療でいっぱいいっぱいの状態でそのように言われれば、どんな気持ちになるか考えてほしいものだ。

それとも男嫌いか?

ほかの婦人科に変えようかとも思ったが、当面の目的は精子の保存だけなので、とりあえずそこで保存することにした。

保存した精子をほかの婦人科へ運んでそこで人工授精なども行えるそうだ。

 

精子の保存1回が、人工授精のチャンス1回となる。人工授精に成功する確率は100%ではない。

1回で成功する人もいれば、10回でも駄目な人もいる。つまり、1回保存したからと言って安心できるわけではない。

たくさん保存できればよいが、その分化学療法を開始するのが遅れることになる。

婦人科の先生は抗がん剤治療中でも保存は可能と言っていたが、このあたりはまだ意見が分かれているようなので、

なるべく開始前に保存したい。

妻は、私の命に代えられないので早く治療を始めるべきと言ってくれたが(ありがとう)、少し延ばしたからと言って、

命にかかわることではないので、治療の開始を1週間延ばし、3回分の精子を保存することにした。

 

あと、3回目のマーカー検査も行った。

AFP値:48

順調である。 

 

 

病理検査の結果

病理検査の結果が出た。

どんなものか期待していたら、要はどのような種類の腫瘍からできているかと、大きさが書いてあるだけだった。

以下が結果の要約である。

・最大径6cmほどの大きな腫瘍が2つある

・腫瘍の種類は Teratoma(奇形種)と Yolk sac tumor (卵黄嚢腫瘍)からなる

重要なのはセミノーマか非セミノーマかであって、それが決まれば次の治療方針が決まる。

転移が見つからない場合のおもな治療方針は以下のようになる。

a.セミノーマの場合

①経過観測のみ

②通院で放射線治療

③そのまま入院して放射線治療

b.非セミノーマの場合

①経過観測のみ

②そのまま入院して予防化学療法

私の場合は、マーカー値の値や、腫瘍の大きさから、化学療法を行うように勧められた。

(もちろん、転移がなく、すでに腫瘍が全くない可能性もある)

少し迷ったが、医者が勧めていることや、4月から7月末までの間、治療のチャンスを逃していたことが怖いので、化学療法を行うことにした。

いろいろ調べてみたが、経過観測を選択した場合の再発率が20~30%であるのに対し、化学療法を2コース行った場合は1~2%というデータもあるようだ。

参考:http://www.sap-cc.org/Uro/Uro/testiscancer.html

確実に治療ができるようにベストな選択をおこなおうと思う。

化学療法が必要かも

正式な病理検査の結果は出ていないが、途中経過のようなものが出たようだ。

それによるとセミノーマではないことは確からしい。

その結果を先生が口頭で教えてくた時に、1コースの化学療法が必要になるかもしれないようなことを言って行った。

 

摘出手術が終われば帰れるつもりだったので、かなりショックだった。

化学療法といえばあれだ。抗がん剤だ。髪の毛が抜けたりするやつだ。

先生の「まだ正式な結果じゃないからわからないけどね」という言葉にすがるしかないか。

病理検査待ち

1週間ぐらいで分かるといわれていた、病理検査の結果がなかなかでない。

土日は検査がないので早くても週明けとなる。初めはこの週末にでも退院している予定だったのだが・・・

病理検査で何が分かるのだろうか?がん細胞の種類を調べているようなことをいっていたが、重要なのだろうか? 

 

上部内視鏡検査

昨日、上部内視鏡検査を受けた。

上部内視鏡検査とはいはゆる胃カメラのことである。

職場で最近はやっていた。自分の島の6人のうち自分も含めて4人が今月胃カメラをのんでいる。

最近のは喉に麻酔を打ったり、かなり楽になっているとのこと。

最近、胃の上部に痛みを感じていて、せっかく入院しているので、ついでにやってもらうことにした。

午前中に内視鏡検査室に呼ばれた。まず説明室のようなところで説明ビデオを見た。

そのあと、胃の中の泡を消す薬を飲むように紙コップを渡された。薄いカルピスのような色と味。

次は喉の麻酔。上を向いて口をあけ、どろっとしたシロップのようなものを流し込まれた。そのまま1分ほどためておく。確かにしびれてきた。麻酔が効いているようだ。1分たったら吐き出す。

激マズ!!

はじめは喉にあったが、吐き出すときに舌にあたり苦味が口いっぱいに広がる。口の中をティッシュで拭いてみたが、取れない、まずい。仕方がないので我慢する。

そのまま呼ばれるまでお待ちくださいと言われ待っていたが、なかなか呼ばれない。麻酔が切れてしまうのではないかと心配していると、通りがかりの看護師さんが、1時間くらい効いているので平気ですよ。と突然。心を読まれた!?

しばらくすると検査室に呼ばれた。中にはやたらガタイの良い看護師さん(女性)がいた。暴れた人を押さえつけるのだろうか。

そのあと先生が入ってきて、唾液は垂れ流してくださいなど、説明があった。のどに注射をする麻酔はやらないそうだ。

はじめは一気に喉を過ぎて行った。すぐに嘔吐感が襲ってきてオエッとなってしまった。苦しい。涙が出てきた。

内視鏡が胃の中で動くのがわかる。ガスを入れられて膨らんだり、かなり気持ち悪かった。

5分くらいで終了した。1度体験しておくのは良いかもしれないが、今後はなるべくやりたくないなぁ。

診断結果は「逆流性食道炎」。胃の壁はきれいだったが、食道と胃の間の扉が少しゆるいらしい。痛くなったときに飲む、飲み薬をもらった。

抜糸

点滴が終わると、パンスポリンという抗生剤と、止血剤を服用した。

手術の傷跡は合計で5針あり、手術1週間後の昨日、3針分抜糸した。

麻酔などするのかと思っていたが、診察室で糸をハサミで切って終了。痛みもほとんどなかった。

翌日には残りの2針も抜糸。抜糸をすると少し動きやすくなる。多少の痛みは残っているが。 

 

以前気になっていた、胃の上部の痛みを胃カメラで診てもらうことにした。

せっかく入院しているのでとことん調べてもらおう。

 

そろそろ病理検査の結果が出るはずだ。そろそろ退院できないだろうか。

 

マーカー検査 2回目

今日は手術後初めてのマーカー検査をした。

朝一で採血し、2時間後ぐらいには結果が出ているようだ。ただし、結果は先生から聞かなければならないので、外来が終わって病棟に上がってくるのを待つ。

結果は以下のとおり。手術直前に検査した値も教えてもらった。

 8/1 AFP値:316

 8/8 AFP値:104

半減期が5日ということなので順調に下がってきているということになる。

検査結果(転移について)

手術から5日間は点滴をした。一日中やるものと朝・夕の抗生剤の点滴。

点滴がとれた翌日にドレーンもとった。傷口に防水テープを張ってシャワーが浴びれるようになった。

 

転移の有無について、CTと骨シンチグラフで検査を行った。

CTは人体の輪切り画像を撮るもので、5分程度ねているだけでおわる。骨シンチグラフは微量の放射性物質を注射して、4時間後位にその放射性物質が体内でどのように分布しているか確認する。30分ほど機械の中で寝ているだけで終わる。がん細胞は細胞の目が粗いので、放射性物質がたまりやすいらしい。

 

CT、骨シンチグラフともに転移は見つからないとのこと。かなりほっとした。今週末には退院できるかもしれない。 

入院1~2日目

手術後、病棟のベッドへ運ばれた。

手術後1時間は酸素マスクをつけ、3時間の間は30分おきに血圧を計った。 翌朝までは安静にして起き上がらないように言われた。

2~3時間で麻酔が切れてきたので、痛み止めの点滴をしてもらう。どこまでが我慢する痛みで、どこからが薬に頼る痛みかわからなかったが、とりあえず痛み止めを入れてもらった。そのあと、よく聞いてみたら、痛み止めが効いているのは2~3時間の間で、痛み止めを点滴する間隔は3~4時間空けたほうがよいとのこと。結局我慢しなければならないのなら、なるべく痛み止めを使わないようにした。

夜中に痛みで起きてしまったが、その時痛み止めをもらい、そのあとはよく眠れた。痛み止めを使ったのはこの2回だけ。

寝返りはしてもいいと言っていたが、横向きになると傷がツッパリ痛いので、常に一日中仰向けにしていた。そのせいか2~3日は腰が痛かった。

翌朝には尿の管も取れ、自分の足でトイレに行けるようになった。朝食も普通に食べた。

 

部屋でじっとしていると、先生が「摘出したもの見る?」と病室にやってきた。赤い半透明のゴミ袋のようなものを片手にぶらぶらさせていて、それを私の方に突き出してきた。もっとまるいものを想像していたが、大きな腫瘍のような塊が2個つながっているような形だった。周りには脂肪のようなものが白く付いていてピンク色のように見えた。これから病理検査にだし、癌の種類を調べてもらうとのこと。だいたい、1週間ほどで結果が出るそうだ。