明日から、抗がん剤投与が始まる。
BEP療法という、シスプラチン、エトポシド、ブレオマイシンの3剤を投与する療法である。
シスプラチンとエトポシドは1~5日目、ブレオマイシンは2・9・16日目に投与する。
吐き気などの自覚症状は2日目位から5日目位がきつく骨髄抑制などは10日目がピークになるらしい。
今日は明日からの抗がん剤投与に備えて補液した。
140ml/hくらいの速さで、生理食塩水とポカリのようなものを点滴した。
明日から、抗がん剤投与が始まる。
BEP療法という、シスプラチン、エトポシド、ブレオマイシンの3剤を投与する療法である。
シスプラチンとエトポシドは1~5日目、ブレオマイシンは2・9・16日目に投与する。
吐き気などの自覚症状は2日目位から5日目位がきつく骨髄抑制などは10日目がピークになるらしい。
今日は明日からの抗がん剤投与に備えて補液した。
140ml/hくらいの速さで、生理食塩水とポカリのようなものを点滴した。
すでに点滴が入り、外出できないため、病院で採精し、妻に運んでもらった。
月曜日に保存した分の検査結果ももらってきた。
精子濃度は7.3million/mlから16.5million/mlに改善していた。
やはり腫瘍が影響していたのかもしれない。
摘出後、1、2週間の間は髭の伸びも遅くなっていたような気がする。
先生は片方を摘出しても、もう片方が頑張るので男性ホルモンが少なくなったりしないと言っていたが、
一時的には影響があるのではないだろうか?
月曜日からの抗がん剤投与に備えて点滴をつないだ。
鎖骨の下にある幹静脈という太い静脈に針を入れた。
腕にするノリで少し長めの針が刺さるくらいかと思っていたら、
処置室でおおがかりな作業だった。ベッドに寝かされ、エコーで血管の位置を確認し、消毒。
それから、顔から胸にかけて青い紙をかけられた。首元だけは穴があいているようだ。
鎖骨のちょっと上あたりに麻酔をし、いろいろ何かやっている。紙がかかっているので見えない。
顔の近くに針が来るのは結構怖い。途中、首筋を生暖かい液体が流れた。
(これってもしかして血ですか!?)
文句を言っても何もならないのでそのまま終わるのを待つ。(あとで聞いたら血だった)
だいたい15分くらいで終了。後から聞いたら3針ぬって点滴の管を固定したらしい。
針入れるなんて聞いてなかったよー!
でも聞かないでよかったかも。 (怖いもんね)
そのあと、レントゲンで針がいい位置にあるか確認した。
点滴が入るとすっかり病人のような気分になってしまう。
まだ首に違和感あり。一日寝たら違和感なくなるかなぁ。
先生からいただいた抗がん剤と造精能に関するいくつかの論文(の要旨)を見る限りでは、2コース程度の抗がん剤投与ではそこまで心配するうようなことではないようだ。
いくつかの論文の内容をかいつまむと以下のとおりだ。
・抗がん剤治療前に精子濃度が20×10^6/mlになっている症例が約半数ある。
(精巣腫瘍自体がすでに造精能に影響を与えている可能性がある)
・化学療法の回数が多いほど、影響が大きい。
・コース数にかかわらず、3か月後から半年間は精子数が減少または無精子症となる。
・1~2コースでは8割以上の症例で精子数が20×10^6/ml以上に回復している。
・3コース以上では投与直後はほぼ無精子症になる。ただし1~3年内に回復した例もある。
・4コース以上投与した場合は回復した例は少ない。
(論文では4コース以上が合計14例あったが、回復した例は1例のみ)
いただいた論文の中で興味深いタイトルのものがあった。
『精巣腫瘍患者の精子染色体異数性に関する研究』
化学療法投与と精子の染色体の異常について書かれているもののようだ。
(私は専門ではないので「異数性」の意味するところはわからない)
専門的すぎてわからない部分が多いのだが、要約すると、
・4例に対し2年~13年後には一般の値になっている。
(13年後にやっとという意味ではなく、13年後に検査してみたら、正常値であったという意)
・1例では半年後と3年後のデータがあり、それらを比較すると、半年後の方が明らかに異常が多い。
上記のデータがどれくらい影響を与えるかわからないが、抗がん剤投与1年ほどは子作りを進めない医者もいるらしい。
↓を見るとかなり怖い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E7%95%B0%E5%B8%B8
毎週水曜日に血液検査。手術日も含めて4回目。
AFP値:21
順調に下がってきている。はじめのクリニックでは正常値10といわれていたが、今の病院では上限値20といわれた。正常と上限の違いはあるが、あと1で上限値をクリア。来週の検査では正常値まで下がってるといいな。
こう順調だと、化学療法はいらないのではないかと考えてしまう。副作用の恐怖と再発の恐怖。いつくるか分からない再発の恐怖よりは、今やれることをやろうと思う。
昨日から今日にかけて、化学療法中の副作用の状態を比較して確認するための検査を行った。
①ブレオマイシンの副作用の肺線維症を見るため呼吸器の検査。
ホースを口にくわえて肺活量やどれだけ勢いよく息を吸ったり吐いたりできるか、肺の拡散能力(酸素などをどれだけ血液に取り込むことができるか、字は間違ってるかも)などの5項目の検査。
②肝機能を見るために、24時間の蓄尿と血液検査
③リンパ節の転移を見るために、造影剤を使って再度CT
呼吸器の検査はほかの検査と違って遊び要素があって面白いかも、肺活量の検査では1回目は4800ccほど、5000ccはいけるよ!と先生に乗せられて、かなり頑張って絞り出した。
造影剤ではアレルギーが出る場合があるらしく、同意書を書かされた。以前に結石で入院した時に造影剤はやっているので心配はなかったけど、検査後にじんましんがでて焦ってしまった。じんましんは以前からちょくちょく出ていたので、重なったのだろう。
造影CTの結果はすぐにでて、夕方には結果を教えてもらった。目に見える転移はやはりないそうだ。
科学療法を行うにあたって心配なことがある。抗がん剤による造精能への影響、つまり今後子供を作ることができるかどうかである。
精巣腫瘍で用いる抗がん剤のひとつ、「シスプラチン」という薬が造精能に影響を及ぼすようだ。
先生にも相談したが、そんなに心配するほどではないと言っていたが、これについては後から無精子症になってしまってからでは遅い。
過去の例などデータがないか相談してみたら、製薬会社に問い合わせてみるとのこと。
また、それとは別に精子の冷凍保存を行うことにした。化学療法を始める前の精子を保険として保存しておく。
どこか病院を紹介してもらえると思っていたが、自分で探してほしいとのこと。
入院している病院から近い婦人科を探してさっそく行ってみた。
まずは、精子の検査をするとのこと。検査をしてその精子を凍結保存できるらしい。
「採精室」という鍵のかかる個室に案内された。
直径5cm高さ10cmほどのプラスチック容器を渡され、これに出してくださいとのこと。
(お見舞いにもらった官能小説を持ってくればよかったかなぁ)
採取したあと、物を預ける。1時間ほど待合室で待つ。
結果はかなり悪いといわれてしまった。
精子濃度: 7.3million/ml (正常値:20million/ml以上)
運動率 : 19% (正常値:50%以上)
これにはかなりショックを受けた。根拠もなく精子は大丈夫だろうと思っていた。
(あとでわかったことだが、腫瘍が原因で精子数などが下がっていることも多いようだ)
婦人科の先生にも、今後どれくらい下がるかわからないとか、精子数を回復する手段はないとか、ぼろくそに言われた。
(これもあとから調べてわかったのだが、術後に回復している例はいくつもある)
婦人科の先生に言わせてみれば、本当に不妊症で悩んでいる人は、こんなもんではないとでも言いたそうだが、
ガンの治療でいっぱいいっぱいの状態でそのように言われれば、どんな気持ちになるか考えてほしいものだ。
それとも男嫌いか?
ほかの婦人科に変えようかとも思ったが、当面の目的は精子の保存だけなので、とりあえずそこで保存することにした。
保存した精子をほかの婦人科へ運んでそこで人工授精なども行えるそうだ。
精子の保存1回が、人工授精のチャンス1回となる。人工授精に成功する確率は100%ではない。
1回で成功する人もいれば、10回でも駄目な人もいる。つまり、1回保存したからと言って安心できるわけではない。
たくさん保存できればよいが、その分化学療法を開始するのが遅れることになる。
婦人科の先生は抗がん剤治療中でも保存は可能と言っていたが、このあたりはまだ意見が分かれているようなので、
なるべく開始前に保存したい。
妻は、私の命に代えられないので早く治療を始めるべきと言ってくれたが(ありがとう)、少し延ばしたからと言って、
命にかかわることではないので、治療の開始を1週間延ばし、3回分の精子を保存することにした。
あと、3回目のマーカー検査も行った。
AFP値:48
順調である。
病理検査の結果が出た。
どんなものか期待していたら、要はどのような種類の腫瘍からできているかと、大きさが書いてあるだけだった。
以下が結果の要約である。
・最大径6cmほどの大きな腫瘍が2つある
・腫瘍の種類は Teratoma(奇形種)と Yolk sac tumor (卵黄嚢腫瘍)からなる
重要なのはセミノーマか非セミノーマかであって、それが決まれば次の治療方針が決まる。
転移が見つからない場合のおもな治療方針は以下のようになる。
a.セミノーマの場合
①経過観測のみ
②通院で放射線治療
③そのまま入院して放射線治療
b.非セミノーマの場合
①経過観測のみ
②そのまま入院して予防化学療法
私の場合は、マーカー値の値や、腫瘍の大きさから、化学療法を行うように勧められた。
(もちろん、転移がなく、すでに腫瘍が全くない可能性もある)
少し迷ったが、医者が勧めていることや、4月から7月末までの間、治療のチャンスを逃していたことが怖いので、化学療法を行うことにした。
いろいろ調べてみたが、経過観測を選択した場合の再発率が20~30%であるのに対し、化学療法を2コース行った場合は1~2%というデータもあるようだ。
参考:http://www.sap-cc.org/Uro/Uro/testiscancer.html
確実に治療ができるようにベストな選択をおこなおうと思う。
正式な病理検査の結果は出ていないが、途中経過のようなものが出たようだ。
それによるとセミノーマではないことは確からしい。
その結果を先生が口頭で教えてくた時に、1コースの化学療法が必要になるかもしれないようなことを言って行った。
摘出手術が終われば帰れるつもりだったので、かなりショックだった。
化学療法といえばあれだ。抗がん剤だ。髪の毛が抜けたりするやつだ。
先生の「まだ正式な結果じゃないからわからないけどね」という言葉にすがるしかないか。
1週間ぐらいで分かるといわれていた、病理検査の結果がなかなかでない。
土日は検査がないので早くても週明けとなる。初めはこの週末にでも退院している予定だったのだが・・・
病理検査で何が分かるのだろうか?がん細胞の種類を調べているようなことをいっていたが、重要なのだろうか?